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2025秋 演芸場通り笑店街|北区十条に笑いと商店街の心の温かさを届ける大落語会

2025年11月15日と22日に行われた落語イベントへ参加しました!

JR埼京線「十条」駅から徒歩4分。
十条中央商店街(演芸場通り)にある画廊山河さんで開催されました
『2025秋の大落語会!演芸場通り笑店街』へ参加させていただきました!

意外ですが、十条では色々なところで高座が設けられて落語が行われているんです。
編集員1号も以前参加させていただいたこともあります。

写真をタップするとスライドショーを見ることができます!

十条中央商店街には約30店舗が連なり、十条住民の生活を支えています。
中には、お世話になっているお店も(いつも楽しく酔ってます)。

十条中央商店街といえば、十条のランドマークとも言える篠原演芸場が有名で、
様々な劇団さんが訪れ、とても華やかに十条を盛り上げています。

そんな芸能に溢れる十条中央商店街で落語会を開催しようと思い立ったのは、
発起人でもある理事長の喫茶店アルカードのマスター。

実は十条に住んでいたりと、十条に縁のある落語家さんが多いそうです。
また、落語が好きだということもあったとのことで、これも御縁ですよね。

難しいイメージの強い落語をもっと気軽に楽しんでほしい。
そして、落語を通じて活気ある商店街のイメージを伝えていきたい
その想いから落語会を始められたそうです。

これまでに十数回重ねてきた落語会、常連のお客さまも増えてきたそう。
時間が近づいてきますと、お客さまが多く集まってまいりましたよ!

さぁ、大落語会のスタートです!
トップバッターは2022年に取材させていただいた春風亭弁橋さんです!
以前よりも貫禄出て、堂々と振る舞われているのがとても印象的でした。

落語は素人な編集員1号ですが、実はとても楽しみだったのです!
どのような素晴らしい体験ができるか、ワクワクです。

2025年11月15日、大落語会一発目を飾るは力みなぎる二人の落語家さん!

初回から参加している春風亭弁橋さんから始まる大落語会。
若々しく元気な笑顔と声で、場を和ませる落語の枕が始まります。

ご存知の方には釈迦に説法かもしれませんが、落語は「枕」「本題」「オチ」で構成され、
「枕」は世間話などで緊張感を解き、自然と落語の世界に入ってもらうための大事な部分です。

落語家の皆さんからすると腕の見せどころで、この枕でのお客さまの反応で、
その日の噺の方向性を示す大切な要素とのことです。

逆にお客さまの視点で見ると、落語通になればなるほど、
この枕の部分でどの噺がされるかがわかっちゃうそうですよ!

春風亭弁橋さんの最初のお噺は『狸の鯉』というもの。
昔助けた子狸が恩返ししないと勘当だと親狸に言われ、何でも化けられると主人公の前に現れる。

主人公の兄貴分にお祝いを贈るため、子狸を鯉に化けさせるのですが、
これがとんでもない方向へと話が進んでいくのです。
役になりきり、その情景を面白おかしくお話されるのはさすがですよね!

春風亭弁橋さんの若々しい力強さを感じるお噺で、
しっかりと場が和み、お客さまの笑いの声も出てきました。最初って緊張しますよね…。

場が和んだところで、真打の古今亭志ん陽さんです!
落ち着いた堂々とした話し始めで、その雰囲気から自然とお客さまから笑いの声も!

古今亭志ん陽さんの最初のお噺は『猫の皿』です。
このお噺は、最近うまくいっていない旗師(はたし)という古美術品の仲買業者が、
旅先でたまたま寄ったお茶屋で見つけた梅鉢にまつわるお噺。

見つけたものは高麗の梅鉢というもので、とても高価なお皿だったのですが、
お茶屋の店主は、なぜか高い皿を猫の餌をやるためのお皿に使っているのです。

旗師はお皿を超安く手に入れようと色々と企むのですが、
実は、このお茶屋の店主はさらに上手の元旗師だったようで、
高いお皿で猫に餌をやっている理由が面白いのです。

「えっ、そういうことか!?」と素人からすると想像できないオチに、
思わず納得するし、昔の噺は時代を超えてもこんなに面白いのかと思いました。

ここでまたバトンタッチで、春風亭弁橋さんの二席目は『道灌(どうかん)』というお噺。
ご隠居の家の絵に描かれていた有名な武将・太田道灌にまつわる逸話から
勘違いだらけの話が始まりますが、やり取りが何とも面白い。

古今亭志ん陽さんの二席目は『天狗裁き』です。
現実でも夢は見たけど覚えていないことが多いですよね。そんな夢にまつわるお噺。

昼寝をしていた主人公、実は夢をまったく覚えていないにも関わらず、
その夢の内容を知りたい人たちにより話がどんどん大きくなってしまう。
しまいには天狗をも巻き込む自体に!現実でもありそうだからこそ笑ってしまいます。

会場は笑いに包まれ、終始とても明るい雰囲気で1日目は無事に終了しました。
落語家それぞれで話し方や演技のやり方が違い、個性があるのも落語の楽しさですね。
素人の編集員1号でもすごい楽しめましたし、満足感がありました!

2日目は二ツ目の落語家さんと、超ベテランのあの方も登場されます!
この高揚感を維持しつつ、次の週を待ちます!

2025年11月22日、超ベテランと次世代の融合された落語を楽しみます!

2日目は真打の昔昔亭桃太郎さんもいらっしゃるとのことで、
さすが、会場は早い時間からお客さまがいっぱい来ていました。

落語通の方には、やはりベテランの落語を聞くのは何よりの楽しみですよね。
今か今かと始まるのを待つお客さま。

この日前座を務めるのは、二ツ目の昔昔亭昇さんです。
桃太郎師匠の身の回りをお世話するなどで十条にはよく来ていたそうですよ。

笑顔がとても印象的で、師匠が登場するまでの場を温めます。
ベテランと若手の違いを見られるのも、この落語会の楽しさかもしれません。

2日目最初のお噺は『ぞろぞろ』というものです。お噺の名前も面白い。
このぞろぞろというワードからは想像もつかないですよね!

参詣客も少ない神社の向かいにある、経営が厳しいお茶屋さんのお話ですが、
商売繁盛を願って、その日も神社にお参りにいくところから始まります。

願いが届いたのか、不思議にもお茶屋で売っていたワラジが、
売れば売るほど、ぞろぞろと増えて大儲けするのです。

その話を聞きつけた生活が厳しい床屋さんが同じようにお参りして帰ると、
お客さまがたくさんお店の前に並んでいる。これは繁盛の予感!
最初のお客さまのヒゲを剃ると…。そっちかーい!というオチが待ってます(笑)

2席連続で大変かと思いますが、昔昔亭昇さんは頑張って前座を務めます。
師匠の前座、変な立ち振舞はできないので、すごい緊張されますよね…。

ここから始まるのは『花筏(はないかだ)』というお噺です。
ある日提灯屋の主人の元に相撲部屋の親方が訪ねてくるのですが…。

看板大関である花筏が病気で巡業に出られないから、恰幅の良い主人に、
相撲を取らなくていいからと花筏の代わりを頼むのですが、そうはうまくいかない。
そのやり取りが何とも言えず、提灯屋ならでのオチが待ってます。

無事に二席を終え、しっかりと師匠にバトンを渡します!

ご登場したのは真打・昔昔亭桃太郎さん。なんと、御年80歳(取材時)!
とても元気な姿、話し出すだけで笑いが生まれる。独特の雰囲気に引き込まれます。

昔昔亭桃太郎さんが選んだお噺は『カラオケ病院』でした。
歌も交えた現代的なお噺なのですが、ついつい聞き入ってしまいます。

とある総合病院で患者が減ってきているので、対策を経営会議で話しあうのですが、
患者を呼ぶのに『カラオケ大会』を院内で開こうということになるのです。

歌好きな患者が大勢集まって繁盛するかもと思いきや、患者さんの歌は
どれも自分たちの病気の内容がふんだんに盛り込まれていて、
とんでもないカラオケ大会になってしまうのでした…。

歌唱力も当然ですが、男性から女性まで役を変えて演じきる姿はまさにベテラン。
素人ながらもその迫力が伝わってきて、落語の奥深さを感じました。

その後は二ツ目のお二人と昔昔亭桃太郎さんとのトークショーもありましたよ。

師匠が二ツ目だったときのお話であったり、これからやっておくべきことなど、
若手ならではの質問に面白く回答されていたのが印象的でした。
また、師匠の素顔も垣間見え、お客さまもとても満足な顔で話に聞き入ってました。

笑い声が多かったばかりに、終わりに近づくとやはり名残惜しいものですね。
場をあとにする師匠たちに拍手が送られ、落語会の成功を物語っていました。

今回も落語の奥深さ、楽しさを堪能できて、すごい勉強させていただきました!
お誘いいただきまして、本当にありがとうございました。
そして、お疲れ様でした!

大落語会に込められた裏の想いに迫ってみました。

十条中央商店街が落語会を始めた想いは前半でも触れましたが、
本当の想いは少し違うところにあると感じました。

それは、若手の落語家が活躍できる場を提供したいという想いです。
桃太郎師匠とのトークショーの中でもお話に出ていましたが、
当時に比べて、落語ができる機会が少ないというお話があったのも印象的でした。

新型コロナウイルスの影響があったり、落語を継承してくれる若手が減少しているなど、
色々な要因があるのかと感じました。

その中で、今でも続けられている十条中央商店街の落語会は、
夢を持って落語の世界に飛び込んだ若い世代のことも考えた粋な心意気。

とても大変な世界だと思いますが、こういった厳しい状況下でも、
夢に向かって自分の芸を昇華させる姿には、毎度勉強させられます。

若手を支える真打のお二人も落語界の先輩として、様々なものを継承していっている。
その輪が落語という伝統を守り、たくさんの人に笑いを届けられる芸能なのだと思いました。
十条に限らず、地域を明るくしてほしい、そう願っています。

十条中央商店街の理事長をはじめ、運営に携われた皆さま、
そして、4名の落語家の皆さま、2日間にわたり、本当にお疲れ様でした!
落語会は定期的に行っていますので、ぜひお気軽に足を運んでくださいね

皆さまの魅力を少しでも伝えられるように、私たちも頑張ってまいります。
十条中央商店街、ひいては十条地域の人たちが明るく生活でき、
そして温かい人たちが集まる地域であるように。

それにしても、北区十条地域には素敵なものがたくさんあります。
10年以上住んでても飽きがこないです!

引き続き、編集員1号も頑張って北区十条地域の魅力を伝えていきます!
さぁ、お次はどこにお邪魔しようかな♪

出演者(敬称略)の情報

■ 春風亭弁橋
https://www.geikyo.com/profile/detail?id=309

■ 古今亭志ん陽
https://www.rakugo-kyokai.jp/members/m96em618ar

■ 昔昔亭昇
https://www.geikyo.com/profile/detail?id=325

■ 昔昔亭桃太郎
https://www.geikyo.com/profile/detail?id=62

編集員1号とは何者?

安孫子 翔一(あびこ しょういち)
東京都八王子市出身、10年以上住む北区十条大好き人間。
美味しいお料理、お酒が大好き。色々なお店にお邪魔をさせていただいております。

IT企業に10年、飲食業に3年勤めたちょっと変わった経歴を持っています。
2022年2月にHUMALINKS株式会社を立ち上げ、
パソコンやネットで悩む方々のサポートに奮闘しております。

微力ですが、大好きな北区十条を盛り上げるためにJUJO WALKERを始めました。
北区十条の飲み屋によく出没するので、気付いた方はお気軽にお声がけください!

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